「鎌倉手作り甲冑 とんぼの会」とは?

旗揚げの原点

私たち「鎌倉手作り甲冑 とんぼの会(旧名 武者姿で集う・とんぼの会)」は鎌倉幕府草創の地・鎌倉に武者行列がないのはさびしいとの想いから、長年途絶えていた武者行列を復活させ、鎌倉の観光振興に寄与しようと小田原市の「北條手作り甲冑隊」からボール紙を材料にした甲冑の作り方を学び、2008年3月に旗揚げしました。

「作る楽しみ、着るうさしさ、参加して満足」をモットーに、各会員入魂の手作り甲冑を身に着けて鎌倉市の内外で行われる行事に参加して「武家の古都・鎌倉」のPRとまちづくりに寄与する公益活動を行う市民グループです。

私たちは常設の手作り甲冑隊です。お声が掛かれば「いざ、鎌倉!」と馳せ参じ、速やかに活動を展開できます。

手作り甲冑が縁で集まった会員は現在46名です(2018年5月現在)。男女を問わず、幅広い年齢層で構成されています。鎌倉幕府が広い地域から集まった御家人たちが力を合わせて成立したように、とんぼの会にも鎌倉市の内外から仲間が集まってきます。

2014年12月に現在の隊名となり、今年で活動15周年を迎えました。

2022年12月には私たちの活動を評価していただき、鎌倉市より「感謝状」を頂戴しました(文面はホームの画像をご覧下さい)。

鎌倉の新しい「文化」

先代の代表が小田原に約半年通ってボール紙を材料とする甲冑の作り方を持ち帰った当時の鎌倉では、専門

家ではない市民が自分で甲冑を作って、自分で着用し、自分でパレードに出るというのはとても斬新でした。

 

以来、鎌倉においても、とんぼの会のお仲間になっていただければ誰でもホームセンターや手芸屋さんなど

で手に入る身近な材料で着用できる等身大の甲冑を作ることが楽しめるようになりました。

歴史が好きな方は史蹟めぐりをすることがあると思います。歴史の舞台を実際に訪れてみることで本を読ん

だだけでは分からなかった発見をすることがあります。街の地形、史蹟相互の位置関係、建物や資料などの

実物、その地域に暮らす人々の地域性などなど。

甲冑も同じです。当時のものと同じ素材で同じものを作ることはできませんが、形を似せて作ることはでき

ます。

「どうして、このパーツはこんな形をしているのだろう?」

甲冑を見ると、こんなことを時々考えることがえります。

でも、実際に作ってみるとそれぞれのパーツにはその形になる理由があることが分かります。その理由に考

えをめぐらせたり、時には教室の仲間と話してみたりすることで理解が深まります。そのうち、もっと知りた

い、もう一領作りたいといった「欲」が出てきて、自分で資料を調べたりするようになります。甲冑は奥が

深くて、一生モノの学習テーマになります。これが、私たちが手作り甲冑隊の活動を生涯学習であると考え

る理由です。

こうした、自分で作り、調べ、学び、仲間と語らい、歴史の舞台となった地を歩く「手作り甲冑隊」の活動

は鎌倉にとって新しい歴史の楽しみ方です。また、鎌倉では比較的新しい「文化」ですが、しっかりと根を下ろして鎌倉の街に不可欠な存在となるように育んでいきます。

 

 

鎌倉の街の一員として

私たちは甲冑や歴史の専門家ではありません。そして、甲冑を生業の手段としないという意味でアマチュア

です。だからこそ、私たちはアマチュアとして、鎌倉の街の一員として損得勘定抜きのボランティア精神で

鎌倉の街のために活動します。手作り甲冑が好きだから、鎌倉の街や人が好きだからです。

お客さんが見てくれて、「本物か」と驚いてくれて、楽しんでくれて、歴史に親しんでくれて、お互い触れ

合うことができる。そこに笑顔があれば充分じゃないか。見返りは要らない。これが、私たち「鎌倉手作り

甲冑 とんぼの会」の心意気です。

鎌倉からの「御恩」、鎌倉への「奉公」

私たちの活動の多くは鎌倉の街における公の行事であったり、公の場で行われるものであったりします。このように私たちが鎌倉の街で活動できるのは地元鎌倉の皆さんの理解があるからこそ、と「御恩」に感じています。心からお礼申し上げます。

だからこそ、私たちに「自分だけが楽しければ、それでいい」という考えがあってはなりません。私たちの活動を見た皆さんから「楽しかったね、また会いたいね」と思ってもらえる存在でありたいと思います。

これからも鎌倉の地域社会のために、喜んで「奉公」していきたいと思います。鎌倉の街のどこかで「奉公」をしている私たちの姿を見かけることもあるかと思います。どうぞ、よろしくお願い致します。